こんにちは。社会福祉士のNammyです。
社会福祉士の皆さんは、いま福祉に関する新しい資格が生まれようとしているのをご存じでしょうか。
そう。今話題になっているのが、児童家庭分野の新しい資格「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」(仮称)です。

今児童家庭分野の新しい資格についての話し合いが進んでいるみたいだけど、どういうのなんだろう?
自分にも受験資格はあるのかな~
こんなふうに考えている方もいるのではないでしょうか。
これを読めば、今、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーという資格がどこまで概要が分かっているのか、あなたにも取得のチャンスがあるのかが分かります。
※令和4年3月現在の情報をもとに記事を書いています。
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーとは何?
昨今、痛ましい児童虐待事件が続いていますよね。児童虐待の件数で言えば右肩上がりな状況です。
そこで、深刻化する虐待に対応できるよう、より専門性のある人材を育成しようと考えられているのが、「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」(仮称)です。
今まで国家資格として新しく創設するか、社会福祉士の上乗せ資格にするかで、創設に向けての話し合いが何度も繰り返されてきました。
社会福祉士会としては、「せっかく自分たちは専門性があるんだから、社会福祉士が研修を受けて上乗せ資格にしてはどうか」と提案をしていました。
そして、令和4年2月の民間資格として子ども分野の新資格「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」(仮称)の創設が盛り込まれた報告書がまとめられました。
早ければ令和6年にはこの資格が誕生する予定です。
ただ、国家資格化の動きがなくなったわけではありません。まだ国家資格を望む声はあるので、民間資格施行後2年を目途に国家資格化していく可能性があります。
働ける場所は?
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーは、児童福祉法を根拠とする資格となる予定です。
働ける場所としては、
児童相談所、市町村の虐待相談対応部署、乳児院、児童家庭支援センター、保育所が考えられます。
これらの機関で働く予定のある方は、もしくは働いている方は、この「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」の取得が必要になるかもしれません。
すでに働いている方は、もしかしたら職場で研修を受けるよう言われる可能性があります。
資格取得のルートは?
次に、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの資格取得するにはどのようにすればいいのかをお伝えします。
まず、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの資格を得るためには試験を受ける必要があります。
そして、試験を受けるためには研修が必要になります。
社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持っている場合には、相談援助の実務経験2年と指定研修100時間で試験を受けられる予定です。
分かりやすく図で説明するとこのようになります。
今すでに社会福祉士や精神保健福祉士を持っている有資格者は、②の現任者ルートよりも短い期間で取得が目指せます。

ただし、今のところ実務経験のある「社会人ルート」のみの設定になっています。学校を卒業したばかりの方は、まずは実務経験を積みことが必要です。
研修100時間の内容はどうなってるの?
研修の内容はまだ決まっていませんが、分かっていることをお伝えします。
研修は100時間程度になりそうです。働きながら取得を目指す方が多いと思われるため、オンライン授業やe-ラーニング、レポートなどの受講方法も検討されています。これは有難いですよね。
第27回社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会(令和3年4月23日)を見ると、カリキュラムの内容はこのようになりそうです。
- 学校とソーシャルワーク
- 教育の基礎的理解に関する科目
- 母子保健と小児医療の基礎
- 社会的養護の現状と課題
- 子どもの貧困・格差
- 家庭理解と支援
- 保護者理解と支援
- 子どもの発達
- 子ども虐待予防
- 地域共生社会(虐待を発生させない地域づくり)
- 子どもの権利擁護
- 非行対応
- 子どもの虐待対応
- 行政権限の行使と司法手続き
- 関係機関(市町村を含む)との連携・協働と在宅支援
- 社会的養護における自立支援
- 児童相談所における方針決定の過程
- 子どもの面接・家族面接に関する技術
- 子ども家庭支援のためのケースマネジメント
量があるようにみえますが、確かにどれも必要そうな内容になっています。

日本社会福祉士会の会報(2022.3 No.203)には、このように記されていました。
児童福祉行政の現場に十分な専門性を身に着けるための「子ども家庭福祉指定研修(100時間程度)」のプログラム開発に積極的に協力していきます。また認定機構(仮称)の創設に向けて、職能団体として責任を持って関与していく予定です。
これからの日本社会福祉士会の動きの気になりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ということは分かってきています。
これを踏まえて、これからの国の動きも見つつ検討してはいかがでしょうか。

また私のほうでも新しい情報が入ったら、ブログを更新していきます。
今回は以上です。
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