あなたの書いた報告書は正しく書けているでしょうか?ほかのスタッフに正しく情報は伝わっているでしょうか?
「アセスメントシートを一生懸命書いたけど、なんだか読みづらい気がする」
「スタッフに気を付けてほしいこと申し送りノートに書いたけど、だれも書いた内容をちゃんと分ってないみたい。」
生活相談員ならこのように悩むことがあるのではないでしょうか?
伝えたい情報がちゃんと伝わっていないことありますよね。
自分としてはしっかり情報は書いたつもりだ。
なのに、みんなちゃんと実行してくれない。
そういう時は、もしかしたらあなたの文章が分かりづらいのかもしれません。
あなたの文章が分かりづらいまま放置しておくと、内容の解釈に違いが生まれてしまいます。そうすると、スタッフによってやり方が違ったり、「私は聞いていません。」と言われてしまうことにもなりかねません。
そこで今回は、ちゃんと情報を正しく伝えたいあなたに、「文章が分かりやすくなるための6つの大切なこと」を紹介します。
この記事を読むことで、あなたの書いた情報を正しくスタッフに伝えることができ、記憶に残せるようになります。
是非最後まで読んでください。では、解説していきます。
なぜあなたの文章は分かりづらいのか?文章が分かりやすくなるための6つの大切なこと
生活相談員をしていると、「アセスメントシート」や「新規情報シート」、「事故報告書」などのたくさんの報告書や記録を作成しなければいけないですよね。
この記録や報告書に沿って、現場は動いていきます。
しかし、この記録や報告書が読みづらかったら、現場の職員はどうなるでしょうか。
当然現場の職員は混乱しますよね。
そこで、生活相談員は文章力を身につけて、分かりやすい文章を作る必要があります。
では、どのようにしたらあなたの記録や報告書は読みやすくなるのでしょうか?
あなたの記録や報告書を読みやすくするには、次の6つのことを気を付けることが大切です。
- 正しい日本語を使う
- 一文一義で文を短く書く
- 箇条書きを使う
- 主語と述語は近くにおく
- 二重否定は使用しない
- 危険事項・注意事項は目立つように書く
では、ひとつづつ見ていきましょう。
1:正しい日本語を使う
当たり前かもしれませんが、まずは正しい日本語を使うようにしましょう。
しかし、意外にちゃんと書くことを学んでいない人の文章は、読み手にとっては分かりづらいのです。
では、正しい日本語とは、どういうことでしょうか?それは、次のようなことを指します。
- TPOに合わせた日本語を使用する
- 句読点を適切に使う
- 誤字がないようにする
例えば、施設内で共有する報告書に「NS」と書いてあったら、職員には「看護師」と意味が分かります。しかし、利用者の連絡帳に「NS」と書いても、意味は通じません。この場合、専門用語や業界の中でしか使わない言葉は、使わないようにしましょう。
また、ダラダラと長い文章は読みづらく感じます。適切に句読点を打つことで、読み手に分かりやすくなるのです。
あとは、誤字があると意味が通じないこともあります。
このように、相手に正しく情報を伝えるには、正しい日本語を書くことが大切なのです。
2:一文一義で文を短く書く
「一文一義」とは、ひとつの文章にはひとつの言いたいことだけを書くことを言います。
人は文章を読むときには、短期記憶を使います。文章が長いと、短期記憶に留めておくことができません。そして、先に読んだ言葉から忘れていってしまうのです。
例えば、次のような文章だと、あなたはどちらが分かりやすいでしょうか?
3:箇条書きを使う
文章がダラダラと長いと読みづらくなるので、箇条書きができるところは積極的に使っていきましょう。
人間が文章を読むときには、左脳を使って理解をします。しかし、箇条書きを使用することで、視覚理解をつかさどる右脳も使うことができるのです。
例えば、先ほどの「2:一文一義で文を短く書く」で紹介した例文を箇条書きにすると、次のようになります。
<○○様の送迎の手順>
- ○○様は玄関で椅子に掛けて待っている。
- 職員がカバンを持つ。
- 介助して外に出る。
- カバンについている鍵で玄関を閉める。
どうでしょうか。箇条書きにしたことで、「送迎の時に手順通りやればいいんだ」と読み手に思ってもらえるようになったと思います。

ちなみに箇条書きをするときは、項目を5個くらいまでにしておくといいでしょう。記憶に残しやすくなります。
このように、箇条書きを使用することで、読み手の記憶に伝えたいことをグッと残すことができるのです。
4:主語と述語は近くに置く
読みやすい文章にするには、主語と述語を近くに置くことも大切です。
主語と述語が離れていると、文章の意味が分かりづらくなってしまうのです。
例えば、次のような文章だと、あなたはどちらが分かりやすいでしょうか?
5:二重否定は使用しない
二重否定を使うと、読み手が混乱するもとになるので、使用しないようにしましょう。
二重否定とは、「否定の否定」の文章です。例えば、「やりたくないわけではない」というような文章です。
もし申し送りノートにあなたが次のような書き方をすると、読み手としては困るかと思います。
6:危険事項・注意事項は目立たせる
現場の職員に特に注意を促したい事項については、目立つように書きましょう。
利用者の命に係わるアレルギー関係、服薬の時間指定、禁忌の姿勢などは、現場の職員にしっかり伝えなければいけません。
例えば、文章の中でも太字にしたり、赤字にしたりすることでも注意を促すことができます。
<○○様の食事の注意事項>
- 食事形態:主食は軟飯 / 副食は刻み食
- 水分のトロミはハツミツ状
- アレルギー:サバ
このようにするだけで、視覚的に危険事項・注意事項に目をやることができます。
少し工夫をするだけでも、文章は目立たせることはできます。太字や赤字を利用して、危険事項・注意事項を強調させるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
あなたがちゃんと情報を伝えたつもりでも、現場の職員にはなかなか理解されていない理由がお分かりいただけましたでしょうか。
生活相談員であるあなたの文章が分かりやすくなるだけで、現場の職員が内容を理解することができるようになります。そして、正しく伝わった情報は、現場の職員の記憶に残っていきます。
さらに詳しく、分かりやすい文章を書けるようになりたいと考えている方は、公益財団法人日本漢字能力検定協会がやっている文章読解・作成能力検定を受験することもオススメです。こちらを受験することで、日本語の文章作成に自信を持つことができます。
また、本屋さんに行くとたくさんの「文章の書き方」の本が売っていますので、そちらを参考にするのも方法です。
そしてあなたも、文章力を上げて、現場に正しく情報を伝えられる生活相談員を目指しましょう。
今回は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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