デイサービスの新規利用者を増やしたい、でもどうやっていいのか分からずと悩んでいる生活相談員もいるのではないでしょうか。
「上司から新規契約を増やすように言われているけど、外部のケアマネからはなかなか紹介はもらえない。」
「そもそもずっと福祉業界にいるから、営業と言われてもやり方があっているのか分からない。」
「営業はなんとなくやっている。だけどこれ以上、どうやって外部ケアマネからの紹介を増やしたらいいの?」
このように、悩みはつきないのではないでしょうか?
実は私もデイサービスの生活相談員をしていたときに、内部ケアマネが紹介をくれずに困っていた時がありました。その時に上司に「営業をしろ」と言われたのです。
今までも普段から外部の居宅介護支援事業所を回って、ケアマネに営業はやっていました。
しかし、「何か今までとは違う、大きなことをやらなくてはダメだ!」
そう思ったときにひらめいたのが「ケアマネ向けイベント」でした。
この後、イベントに参加してくれたケアマネからポツポツ紹介が増え始め、1年後には毎月紹介をもらえる関係にまで発展させることができました。
今回は、そんな新規契約を増やしたい生活相談員の方のために、「ケアマネ向けイベントで新規利用者を増やす4つのコツ」をお伝えします。
この記事を読むことで、得られる未来は次の通りです。
では、さっそく見ていきましょう。是非最後まで読んでください。
「ケアマネ向けイベント」で新規利用者を増やす4つのコツ
ここで言う「ケアマネ向けイベント」とは、ケアマネを対象に自分たちのデイサービスを知ってもらうためにイベントを開催することです。
では、どのように「ケアマネ向けイベント」を開催して、利用者を増やしたらいいのでしょうか?それには、次の4つのコツがあります。
- 利用者に提供している食事を体験してもらう
- デイサービスの紹介動画を見てもらう
- ケアマネが知りたい情報の勉強会に参加してもらう
- パンフレットやチラシを持って帰ってもらう
では、ひとつづつ見ていきましょう。
コツ1:利用者に提供している食事を体験してもらう
ケアマネは、自分の紹介する利用者が、デイサービスで満足できる食事が提供されるか、とても気になります。なので、ケアマネに普段デイサービスで提供している食事がおいしいと知ってもらうために、利用者と同じメニューを体験してもらいましょう。
例えば、ケアマネが紹介したデイサービスの食事がおいしくなかったり、食事内容が乏しかったら、利用者はそこのデイサービスに通ってくれなくなります。しかし、ケアマネ自身がデイサービスの食事の味を知っていれば、「あそこはおいしいよ」と紹介をしてくれます。
利用者にとって、食事はデイサービスに通う楽しみの一つです。
食事の満足度が高いかどうかは、ケアマネとしてはとても気になるのです。
自分たちのデイサービスでの食事を知ってもらうために、次のことを実践しましょう。
- デイサービスの特別メニューの日にケアマネ向けイベントの日を設定する
- さまざまな食事形態に対応していることをアピールする
- 食事に関する「自社の強み」をアピールする
デイサービスの特別メニューの日にケアマネ向けイベントの日を設定する
「ケアマネ向けイベント」をやるにしても、日にちはどうやって設定しよう・・・と悩みますよね。
できれば、デイサービスの特別メニューの日に設定をするとケアマネがイベントに参加してくれる確率が上がります。ケアマネだって、おいしい食事を食べたいですもんね。
特別メニューの日は、春ならチラシ寿司、夏ならうなぎなど、季節に合わせたメニューがありますよね。
ちなみに私の場合、海鮮丼の日にケアマネ向けイベントを開催したことがあります。この日は5か所の新たな居宅介護支援事業所のケアマネが10名参加をしてくれました。もちろんその後、新規利用者の紹介につながっています。
ですので、自分たちのデイサービスにまずは来てもらって、利用者と同じ食事を取ってもらうことが新規利用者を増やすコツなのです。
さまざまな食事形態に対応をしていることをアピールする
デイサービスではさまざまな食事形態を用意しているところも多いのではないでしょうか?
生活相談員をしていると、ケアマネから
「ミキサー食の対応はできますか?」
「ゼリー食はありますか?」
などの相談をいただくことがあります。
つまり、ケアマネは、食事形態がどこまで対応してもらえるかによって、紹介するかどうかの参考にしているということです。
「自分たちのデイサービスではここまで対応ができます!」と示すことは、十分アピールになるわけです。
食事に関する「自社の強み」をアピールする
そのほか、食事に関することで「自社の強み」となるようなことはアピールをしましょう。
例えば、私が「ケアマネ向けイベント」を開催したときには、
「当デイサービスの味噌汁は、毎回かつお節から出汁を取っています。」
「施設内に厨房があることで、傷みやすい刺身でも安心して提供することができます。」
と、アピールをしました。
どこのデイサービスでも、食事に関する強みは必ずあると思うので、しっかりアピールできるようにしましょう。
コツ2:デイサービスの紹介動画を見てもらう
ケアマネが食事をとっている間に、自分たちのデイサービスの紹介動画を流しましょう。
食事を取っていただいている間、ケアマネ自身も緊張しています。
知らない居宅介護支援事業所のケアマネ同士の会話が弾むことも難しく、無言になりがちです。
沈黙のイベントは、とても怖いものを感じますよね。
そこで場を和ませるために、自分たちのデイサービスを紹介する動画を流せるようにしておきましょう。
- 動画の長さは20分くらいになるように編集する
- お風呂やトイレなど、利用者がいて見れない場所は撮影しておく
- リハビリやレクなど、時間帯的にも見れないものも撮影しておく
動画の長さは20分くらいになるように編集する
だいたい食事を食べ終えるくらいの長さに動画は編集をしましょう。
10分くらいでは、ケアマネがまだ食事を食べ終えていない可能性があり、食べ終えたケアマネから手持無沙汰になってしまいます。
ケアマネは忙しい中イベントに参加をしてくれているので、すこしでも時間がもったいないと感じる時間を作らないようにしましょう。
このように考えると、自分たちのデイサービスを知ってもらうための動画は20分くらいに編集をするのがちょうどいいのです。
お風呂やトイレなど、利用者いて見れない場所は撮影しておく
ケアマネはせっかくデイサービスに来ても、利用者の使っているお風呂やトイレを覗くわけにはいきません。
ケアマネが見ることのできない場所としては、次のようなところがあります。
- 脱衣所や浴槽、機械浴
- お手洗いの個室の数や広さ
- お手洗いの手すりの向き
これらが分かるように、動画に収めておくのがいいでしょう。
リハビリやレクなど、時間帯的にも見れないものも撮影しておく
また、時間帯的にケアマネが見ることのできないものもあります。
- 送迎の様子
- リハビリの様子
- レクリエーションの様子
これらについても、動画に収めておくといいでしょう。
コツ3:ケアマネが知りたい情報の勉強会に参加してもらう
ケアマネに食事をとってもらい、動画を見てもらった後は、勉強会を開催するのがいいでしょう。
ケアマネは、勉強熱心な方が多いです。
ケアマネの受験者の基礎資格は、圧倒的に「介護福祉士」が多く、次いで「正・准看護師」、そして「社会福祉士」「理学療法士」と続きます。
(引用;厚生労働省HP「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」より)
ですので、介護職目線の勉強会を開催するよりも、医療やリハビリ、制度関係についての勉強会の方が喜ばれます。
- 看護師が講師となって行う勉強会
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が講師となって行う勉強会
- 社会福祉士が講師となっておこなう勉強会
看護師が講師となって行う勉強会
看護師が講師となって行う医療関係の勉強会は、ケアマネが集まりやすいです。
例えば、看護師が行う講義は次のようなテーマが考えられます。
- 糖尿病の食事コントロールやフットケア
- 褥瘡の正しいケア方法
介護福祉士出身のケアマネだと、おおまかなことが分かっていても詳しく知らない可能性があります。在宅で利用者が生活し続けられるためのケアの方法を勉強会のテーマにするといいでしょう。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が講師となって行う勉強会
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が講師となって行う勉強会も、ケアマネにとっては関心度が高いです。
例えば、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が行う講義には次のようなテーマが考えられます。
- 退院後のリハビリの重要性
- 身体機能検査(握力・下肢筋力測定など)の結果の見方
または、リハビリ関係の講義では、座学ではなく実際にリハビリを体験してもらうのも方法です。
実際利用者がどんなリハビリをするのかを体験することは、ケアマネが利用者に自社を紹介するときの役に立ちます。
社会福祉士が講師となって行う勉強会
社会福祉士が講師となって行う勉強会では、制度改正などを取り上げると関心を持ってもらいやすくなります。
- 介護保険改正による、本デイサービスの加算変更について
- 高齢者虐待などの権利擁護関係について
ケアマネは制度変更にアンテナが高いので、制度変更前は社会福祉士による勉強会が有効的です。
コツ4:パンフレットやチラシを持って帰ってもらう
ここまで終えたら、最後に自分たちのデイサービスのパンフレットやチラシを持って帰ってもらいましょう。
できれば一人1部づつではなく、一人5部は配るのがいいです。なぜなら、ケアマネは自分の所属している居宅介護支援事業所に戻れば、必ず今回の「ケアマネ向けイベント」について参加をしていない他のケアマネに話すからです。今回は参加をしなかったケアマネの分まで持って帰ってもらい、配布してもらえるようにします。そうすると、興味を持って、次回の「ケアマネ向けイベント」に参加をしてもらえるかもしれません。
こうして口コミで広がっていくので、パンフレットやチラシを持って帰ってもらうのも重要な意味があるのです。
より効果的なチラシを作成したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新規利用者を増やしたい生活相談員が、「ケアマネ向けイベントで新規契約を獲得する4つのコツ」をお伝えしました。
- 利用者に提供している食事を体験してもらう
- デイサービスの紹介動画をみてもらう
- ケアマネが知りたい情報の勉強会に参加してもらう
- パンフレットやチラシを持って帰ってもらう
つまり、内容の濃いイベントを開催することで、外部ケアマネに関心を持ってもらい、多くの新規利用者を紹介をしてもらえるということです。
ただし、この「ケアマネ向けイベント」には施設側の協力がかなり必要になります。職員に講師をお願いしたり、ケアマネの食事に関する予算も取る必要です。単独で判断して進めることはできないので、施設全体で進めるつもりで取り組みましょう。
このイベントの効果で新規契約が1件でも取れれば、ケアマネの食事代くらいはすぐに取り戻せます。やる価値はおおいにあります。
かなり大掛かりになりますが、今までとはひとあじ違った「ケアマネ向けイベント」で新規利用者を増やしましょう!!
今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント